先日、岐阜県 安八郡にある未来工業 株式会社に、
見学に行ってきました。
年間休日約140日・・・・！
経営者の方で、「未来工業」という会社の名前を見たこと、
聞いたことがある方は多いと思います。
私は、あるセミナーでの講師のお話の中で初めて知り、
会社見学をさせてもらえるという情報も得て、行ってみることにしました。



年間休日約140日、1日労働時間7時間15分、
日本有数の休みが多い会社で、たくさんの社員さん（全員が社員。783名）が、
短い労働時間で、さまざまな発明・開発をし、
日本一のシェアを誇るような製品を産み出し製造しています。
（上の写真には、ちょうど私たちが帰るとき定時時刻の4時45分になり、
どんどん帰路につく社員さんたちの車が写っています）

未来工業は、電気設備資材、給排水設備、
ガス設備資材の製造販売をしている会社です。
スイッチボックス（スライドボックス）という製品は、日本一のシェアだそうです。
（スイッチボックスというのは、電気のスイッチのカバーをとると、
壁の中に入っているボックスです）。

そんなに休みが多くて、そんなに1日の労働時間が短くて、
創業43年間で赤字決算は一度もなく（総務部長さんからのお話）
業績がすばらしくいいというのは、生産性がすばらしくいいということで・・・
どうしてそれを実現できているのか、是非見たいと思いました。

スタッフの鈴木君、中垣さんと一緒に行きました。

社屋に入ると、突然「アンチ成果主義」の言葉。
そして、会社理念「常に考える」が、入り口だけでなく、いたるところに
貼られていました。



会社見学の最中に、「常に考える」を100ヶ所は見たと思います。
トイレにもありました。
どこにいても、目に入ってくる「常に考える」という理念。
理念経営が徹底されているんだなと感じました。
見学だけで100ヶ所以上の「常に考える」を見たので、
実際には、何十倍もの数の「常に考える」が貼ってあると思います。
案内してくれたスタッフの方は、「こんなにたくさんあると、洗脳されますよ」と
笑っていました。いい意味で、確かに、洗脳されそうでした。

写真もブログもOK、どこでも好きに撮ってください、と、快く許可をいただきました。
見学中ずっと、まずいかなーと思って、言い出せず、帰りにやっと言い出せて、
帰るときに少しだけ撮りました。
先に言ってみればよかった・・・





未来工業には、提案制度というものがあり、社員が、会社をよくすること、
お客様に喜んでいただくことに関して会社に提案するというこの制度によって、
会社が社員の自発で運営されていることがとてもよくわかりました。
提案が採用されれば賞金が授与され、採用されなくても、内容やレベルを問わず、
1提案につき、必ず500円もらえる、というのも興味深かったです。
提案にはお金を出す、人件費を削減するのではなく、その他の経費削減を考える、
その経費削減が実現しているのも、社員さんの「常に考える」姿勢から
削減するための方法が生み出されているからです。



年間に約1万件の提案があがってくるそうです。
社内の見学をさせていただいていると、いたるところに、
提案制度がもとになって改善された印（改善された工程などの場所がわかるように
シールなど目印がありました）があり、
そこにも「常に考える」と、理念が書いてありました。

製品開発には、必ず一工夫することを鉄則としているそうで、
それが、お客様に、他社ではなく未来工業を選んでいただける所以だと、
総務部長さんがおっしゃっていました。

1時間ほど工場も含め、社内を見学させていただいたあと、
総務部長さんとお話する時間がありました。
質疑応答です。

いっぱい質問させていただきました。
自分が何を質問したかは忘れてしまいましたが、
総務部長さんがおっしゃっていたことは、とても心に残っています。

・社員が考えて、こうしたいと思ったときにやらせてくれる会社にする。
・社員を不満にさせない。
・単なる鉄の筒でもひと工夫。
・やる気を育てる。
・アメは先に出す（結果は関係なく、最初から充分な報酬を与える）。

ここで・・・鈴木君が、質問しました。
「1,000万円稼ぐ営業と、100万円しか稼がない営業がいたとして、
評価が同じ、給与が同じ、というのは納得されるんでしょうか？」

これに対する答えに、この会社のよさが非常に表れている気がしました。
総務部長さんからの答え・・・
「会社というのは、みんなで成果を出す場。
みんなで助け合って会社がある。
極めて優秀な人だけでは会社はまわらない。
低層の人たちもいて全体が成り立っている。
成果主義ではなく・・・低層の人たちが優秀な人を見て
『あの人に稼いでもらっているんだ、申し訳ない、がんばらなくては』と
努力することを期待します。実際にみんな努力しています」

すべて「どうすると社員が喜ぶか」に立脚した経営をしている未来工業。
少しでも近づきたいと思いました。
また、共に未来を築いていくスタッフと一緒に行けたことが、とても有意義でした。