2010年11月22日 10:01
産むときの波乱---37時間の恐怖
先日の記事「妊婦になっても仕事命」の続きを書きます。
-----もう、殺してほしい
忘れもしない、37時間の陣痛との闘いでした。
仕事のことを気にしてスタッフにメールなど
していられたのは、最初の2時間くらいだけでした。
分娩室に入ってからは30時間くらいでした。
朝から始まったお産に付き添ってくれた母は、
一緒に夜を超えることはできず
寝に帰りました。
看護師さんもシフト交代の時間がきてしまいます。
2回も担当が替わりました。
一緒にいてくれて頼りにしていた人が
帰ってしまうときの不安感は
絶望に近いものがありました。
叫んでしまうくらいの激痛のなか、徹夜してしまい、
24時間がたち、陣痛と陣痛の間の
数十秒で眠ってしまうのですが、
また激痛で叩き起こされる、その繰り返しでした。
朝になり、医師と看護師さんが
集まる部屋から声が聞こえてきました。
朝礼、ミーティングです。
「井上さんは?」
「まだです」
「え?!まだ?!」
「あとどれくらい?」
「ちょっとわかりません…まだです」
それが聞こえてしまって、絶望しました。
いつまでこの拷問に耐えればいいのか…。
もう、殺してほしい、とずっと思っていました。
-----恐怖
30時間を過ぎ、食べることも眠ることもできず、
幻覚まで起こりました。
大きな黒い蜘蛛が照明の中から這い出してくるのです。
「蜘蛛がいるんですけど!」
と息も絶え絶えに
何度か看護師さんに言いましたが
「いませんよ」「大丈夫ですよ」と言うばかりで
怖いし痛いし痛いし痛いし…
自分が死んだって子どもは
生きて産まれてくるんだから、
もう死にたい!
殺してくれ!
と何度も心の中で叫んでいました。
痛いのは誰でも同じかと思いますが、
長すぎて、いつ終わるのかもわからず
絶望していました。
-----言わなかったから切らなかった・・・
寝に帰っただけであとはずっと
母が付き添って腰をさすったり
励ましたりしてくれていたので
死にたい、殺して、切ってくれ、
という類の言葉だけは絶対に言うまいと決意し、
最後まで貫くことができました。
貫いちゃったおかげで、長くなったとも言えます。
「これだけ長いと普通は切ってくれって言うんだけどね、
言わなかったから、切らなかったのよー。
よく耐えたねえ」と
出産直後にお医者さん(女の人でした)が言っていました。
ずるーん、と産まれて赤ちゃんの泣き声を聞いたときは、
喜びより何より、痛みの恐怖からの解放で
「終わったー」と声に出し安堵して涙が出ました。
出産は終わりではなく、始まりなんですが・・・。
-----痛みの恐怖からの解放も束の間・・・
涙目の向こう、天井の照明にまだ、
大きな黒い蜘蛛が、にゅろにょろと動いていて
ほんとに怖かった・・・。
しばらく見ないようにしてもやはりいました。
産んだ瞬間、無事産まれてきたことに感動してみたかった
と今でも思います。
ただ、数十分たって赤ちゃんを横に
置いてもらって触ったときは、さすがに感動しました。
「これが出てきたんだ・・・痛いはずだわ・・・」
という感動でもありました。
痛みの恐怖からの解放も束の間、
次の日から、腹痛と激しい下痢が
始まりました。
出産時のストレスが原因らしく、
病気の再発でした。
私という人間は、複数の道が用意されていたら
必ず辛い方を選ぶようにできているんじゃないかと
思ってしまいます。
そこまでしないと学べないくらい、
“なってない人”と思って腹をくくるしかありません。
つづく・・・
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-----もう、殺してほしい
忘れもしない、37時間の陣痛との闘いでした。
仕事のことを気にしてスタッフにメールなど
していられたのは、最初の2時間くらいだけでした。
分娩室に入ってからは30時間くらいでした。
朝から始まったお産に付き添ってくれた母は、
一緒に夜を超えることはできず
寝に帰りました。
看護師さんもシフト交代の時間がきてしまいます。
2回も担当が替わりました。
一緒にいてくれて頼りにしていた人が
帰ってしまうときの不安感は
絶望に近いものがありました。
叫んでしまうくらいの激痛のなか、徹夜してしまい、
24時間がたち、陣痛と陣痛の間の
数十秒で眠ってしまうのですが、
また激痛で叩き起こされる、その繰り返しでした。
朝になり、医師と看護師さんが
集まる部屋から声が聞こえてきました。
朝礼、ミーティングです。
「井上さんは?」
「まだです」
「え?!まだ?!」
「あとどれくらい?」
「ちょっとわかりません…まだです」
それが聞こえてしまって、絶望しました。
いつまでこの拷問に耐えればいいのか…。
もう、殺してほしい、とずっと思っていました。
-----恐怖
30時間を過ぎ、食べることも眠ることもできず、
幻覚まで起こりました。
大きな黒い蜘蛛が照明の中から這い出してくるのです。
「蜘蛛がいるんですけど!」
と息も絶え絶えに
何度か看護師さんに言いましたが
「いませんよ」「大丈夫ですよ」と言うばかりで
怖いし痛いし痛いし痛いし…
自分が死んだって子どもは
生きて産まれてくるんだから、
もう死にたい!
殺してくれ!
と何度も心の中で叫んでいました。
痛いのは誰でも同じかと思いますが、
長すぎて、いつ終わるのかもわからず
絶望していました。
-----言わなかったから切らなかった・・・
寝に帰っただけであとはずっと
母が付き添って腰をさすったり
励ましたりしてくれていたので
死にたい、殺して、切ってくれ、
という類の言葉だけは絶対に言うまいと決意し、
最後まで貫くことができました。
貫いちゃったおかげで、長くなったとも言えます。
「これだけ長いと普通は切ってくれって言うんだけどね、
言わなかったから、切らなかったのよー。
よく耐えたねえ」と
出産直後にお医者さん(女の人でした)が言っていました。
ずるーん、と産まれて赤ちゃんの泣き声を聞いたときは、
喜びより何より、痛みの恐怖からの解放で
「終わったー」と声に出し安堵して涙が出ました。
出産は終わりではなく、始まりなんですが・・・。
-----痛みの恐怖からの解放も束の間・・・
涙目の向こう、天井の照明にまだ、
大きな黒い蜘蛛が、にゅろにょろと動いていて
ほんとに怖かった・・・。
しばらく見ないようにしてもやはりいました。
産んだ瞬間、無事産まれてきたことに感動してみたかった
と今でも思います。
ただ、数十分たって赤ちゃんを横に
置いてもらって触ったときは、さすがに感動しました。
「これが出てきたんだ・・・痛いはずだわ・・・」
という感動でもありました。
痛みの恐怖からの解放も束の間、
次の日から、腹痛と激しい下痢が
始まりました。
出産時のストレスが原因らしく、
病気の再発でした。
私という人間は、複数の道が用意されていたら
必ず辛い方を選ぶようにできているんじゃないかと
思ってしまいます。
そこまでしないと学べないくらい、
“なってない人”と思って腹をくくるしかありません。
つづく・・・
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▼夢農人の立ち上げの背景
その他の記事
(1)飢えていた・幸せは食卓にあり
(2)食べ物に思いを馳せる
(3)難病を発症
(4)極度のネガティブから・・・
(5)国産を食べるという食事療法
(6)発信する使命感
(7)産まれるまでの波乱
▼番外編
広告屋になった理由
妊婦になっても仕事命
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