「ちょっといいですか」って言わないで!

ルーコ 井上美穂

2017年02月23日 13:53

やることがいっぱいの経営者や管理職のみなさんが

経験してきた、社内における「ちょっといいですか」の嵐。

話しかける方は確かに「ちょっと」かもしれない。

けれど、話しかけられる方は「ちょっといいですか」が

1日に何回も、何十回もあったりするので、

「ちょっと」ではない。

この「ちょっといいですか」に加え、電話が鳴る。

固定電話も携帯電話も鳴る。

電話で話している最中に、別の電話が鳴る。

メールやLINEやメッセージやチャットもばんばん来る。

・・・・私も、5年くらい前まではそういった日々で、

「ちょっといいですか」や電話に対応しているうちに

1日が終わってしまうというのはよくあることでした。

たっぷり経験しましたので、

「ちょっといいですかって言わないで!」と

叫びたくなる気持ちや

「結局1日中何もできなかった」敗北感もよくわかります。

そして、「ちょっといいですか」や電話が自分に集まるのは

権限移譲や委任ができていない証拠であって、それに対する

敗北感もよくわかります。



でも今は、

誰も私に「ちょっといいですか」とは言わないですし、

電話もほとんど鳴りません。

任せられる社員、自分で判断できる社員がいて、

本当にありがたいことですが、

「ちょっといいですか」がないのは、私だけではありません。

私だけでなく、弊社社員は誰もが「ちょっといいですか」に

脅かされることはありません。

そういう社内体制と社風があるからです。

ひとことで返せそうな質問以外は、

「●●さん、3分いいですか?」というふうに、

「ちょっと」に相当する所用時間を相手に伝えて聞きます。



みんな、期限のある仕事をしています。

職業柄もあると思いますが、今日の何時までに、とか、

○時間後までに、という

短い期限や目標が、全員になにかしら常にあります。

長い期限や目標であっても、やることを細分化すれば、

期限と目標の連続になります。

だから、3分ならいいけれど、10分はとれない、ということは

充分ありえるのです。



この「ちょっといいですか」がない状態になったのは

5年ほど前だと思いますが、私が

「ちょっといいですかって言わないで!」と本当に叫んでしまった

というわけではなく、いつの間にかなくなって

みんな所用時間を相手に伝えるようになっていましたので、

ルールではなく、社風です。

ただ、きっかけはありました。

それは、社員からの提案があって始まった、

集中タイム制度の導入です。



あと○時間で、提案をまとめなくてはとか、

あと○時間で、この原稿を書き終えなくては、とか

あと○時間で、このデザインをしあげなくては、といった

差し迫った仕事があって集中したいときには、

1時間は、誰からも話しかけられない権利を持つ、というのが

集中タイム制度です。

「集中タイム入ります!」と宣言して、終了時間を壁に

貼ることで誰からも話しかけられない1時間を確保できます。

延長の場合は、もう一度同じ手順を踏んでから、という

ルールになっています。(これは社風ではなくルールです)。




「間に合わせる」ことが、目に見える一番大きな目的ですが、

それ以外の目に見えない目的があります。

集中しているときに中断すると、

戻すまでに長い時間がかかって、非効率であること、

また、お客様への提供品質にも影響することがあります。

それらを防ぐのも目的なのです。



この集中タイム制度を導入してから、

誰かから誰かに話しかけるときは「ちょっといいですか」

ではなく自然と「○○分いいですか」になっていきました。

そして、○○分でもダメだと判断したときは

「●●分後でお願いします」と返事して延ばすということも、

行われています。

上下関係はそこには存在せず、

私も社員によく「●●分後でお願いします」と言われます。



「ちょっといいですか」がなくなったきっかけは

集中タイム制度導入だったので、

社員がそれを提案してくれたことに、感謝しております。


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差し迫ってばかりではない、
社内の交流についてはこちら
→「なんでもない話ができる人間関係」


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